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【キミスイ】『君の膵臓をたべたい』を観た感想

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訪問ありがとうございます!リゼです。

9月1日より公開している劇場版アニメ『君の膵臓をたべたい』を鑑賞してきたので、今回はその感想を書いていきます。

 

ざっくり言うと・・
  • 死別を踏まえた出会い、2人の関係性
  • 悲しい展開なのに後味はスッキリ
  • タイトルの真の意味を知った時、涙でスクリーンが見えなくなる

 

 

 

あらすじ

他人との関わりを持たず一人で日常を過ごす高校生の『僕』、クラスメイトの桜良が膵臓の病気で先が長くないという事を知るところから物語は始まります。

 

桜良は病気の事を周囲の人間には明かしておらず、『僕』と2人だけの秘密だった。秘密を抱えた『僕』は、桜良に振り回されるような形で死ぬまでにやっておきたい事の実行に付き合わされる。『僕』は桜良との交流を経て少しづつ心を開いていくのだが・・

 

っとネタバレを抑えた感じの作品の流れはこんな感じです。

最初は、無気力系主人公とそんな主人公に美少女が唐突に接点をもって懐くというリゼの嫌いなタイプの設定だったので開始10分時点で、心の中では駄作認定してました(笑)

 

それではこの作品の魅力について挙げていきたいと思います。

 

死が身近にある関係性

2人が出会った時点で、病気による死別がそう遠くない未来に起こることが決まっていました。実際、ヒロインの桜良は物語終盤で亡くなります。奇跡も魔法も起こらずあっさりと。

 

作中で桜良自身が言っていたように『死ぬ気』でって言葉がこの作品の一つのテーマなのかなと感じました。天真爛漫で活発な桜良ですが、『僕』と共に行動しようとしたきっかけには『死ぬ気』で臨んだ勇気があったと思います。『僕』も同様に、桜良との交流の中で今まででは起こせなかったような行動を取れたのは、病気による死という影がちらついていた部分もあったからかなぁと。

 

勇気も素直さも、死が身近にあった事によって表出できたんだと思います。

 

タイトルの真の意味

冒頭でも出てきます。『君の膵臓をたべたい』

肝臓が悪い人は、焼き肉屋でレバーを食べる。そういった意味で桜良が使用した言葉ですが、作品の終盤で違った言い回しで再登場します。

 

2人がお互いを評価した時に使った言葉なんですが、この言葉の真の意味こそがこの作品のメインテーマで伝えたかった事だと思います。私は『尊重と成長』と捉えました。

 

死の描き方

余命いくばくもない桜良でしたが、その余生を目いっぱい楽しみ残された時間を有意義に過ごし作中ではそこに多くの時間を割いていました。

 

しかし、あっさりと別れが訪れてしまいます。それも病気とは無関係に。

死の身近さを病気で描いてはいましたが、事件によって命を簡単に奪われるとは思いもせず急展開に呆気にとられてしまいました・・( ゚Д゚)

 

病気で徐々に死が迫って最後は穏やかに・・とか、人生を全うして幸せそうに・・とかでもなく・・。アプローチを変え、死の唐突さを描いていました。

 

ハッピーエンドで終着する作品ではないとは思ってましたが、想定外だったので少し面を喰らいました。でもここまでが序章で、ここからのラスト数十分が作品の描きたかった部分でありテーマともいえる部分でした。

 

共病文庫のあとがき

桜良の死後、『僕』は桜良の実家を訪れて彼女がつけていた闘病日記である『共病文庫』を読む機会を得ます。『共病文庫』を通して桜良の想いに触れる『僕』。

 

桜良の視点で、今までの物語がここで補完されていきます。観ていた時に薄いなぁと思っていた描写もここできっちりとフォローされていくのです!ちょっとしてやられました、ハイ(´Д`)

 

そして、ここで主人公の名前が明かされるのです。

何故作中、『僕』で通していたのか・・

 

気にはなっていたけどそこまで深い意味はないのかなぁと思ってましたが、明かすタイミングが綺麗で・・ここでもしてやられました、ハイ(笑)

 

春の桜吹雪と相まって・・ね。

もうね、ここら辺はリゼずっと泣いてました。

 

桜良が元気になる⇒(*´▽`*)

桜良が死んじゃう⇒( ゚Д゚)

共病文庫を読む ⇒( ;∀;)

その後、最後まで⇒( ;∀;)

 

ラスト数十分のリゼはこんな感じでした(笑)

 

まとめ

作品の中で描かれるのは『僕』と桜良の2人が大半。

桜良が亡くなり『共病文庫』を読み彼女の想いに触れたところで終わる。これが一番きれいな形のように思います。

 

しかし、この作品ここからまだ少し続くんです。

桜良との交流を経て、『僕』は桜良がそうしたように他人との繋がりの中で自分を見つけていこうと行動を起こします。中盤までの彼なら決して起こさなかった行動です。

 

最後の『僕』の描写から、死を題材に扱いながらも本質はそこではなく、テーマは人間の『成長』であるのだと感じました。言い方に少し語弊があるかもしれませんが、死を真正面から描くというより桜良の死は『僕』の成長のための記号だった気がします。

 

決してハッピーエンドではなかったですが、見終わった後に感じた前向きな気持ち・・後味の良さというか爽やかにも感じられたのは、『僕』のひたむきさが見られたのとそこに成長を垣間見られたからだと思います。

 

キミスイ、面白かったです!泣けます!!