クローンの体に宿るオリジナルな心
何故か11話だけAmazon prime videoの配信が中々行われず・・。地上波で観ようにも阪神大好きサンテレビさんは試合終了まで延長するので1時間半も伸びた・・
王の器
クローン体ばかり集められたB5班。その一斉殺処分を担う刺客の正体はシャルスだった・・!
B5班のメンバーは学者や医者やスポーツ選手などの著名人が親で、そのクローン体である。その中でもシャルスのオリジナルは特別。その正体は『王』。
王の器として、王の代替品としての生を全うしていたシャルスでしたが、『ゲノム管理法』の制定によりクローン技術への風当たりは強くなってしまう。
クローンを秘匿したい『王』の命令により、シャルスは自身を含めたクローン体の抹殺を命じられB5班として今回の旅に参加。
王のために、王に尽くす以外の生きがいを与えられなかったシャルスは、自身の命が使い捨てにされることも厭わず王の命令に忠実に動く。
心中するような形で宇宙で班の全滅を企んでいたシャルスでしたが、その心境に変化が。目標をとある人物と2人でアストラへ帰ることに変更。その人物はアリエス。シャルスの心境を変化させた要因はアリエスの正体にありました。
アリエスの正体
シャルスがB5班を全滅させず、アリエスをアストラへ連れ帰ることに変更した理由はアリエスの正体にありました。
彼女もクローン体。ですがそのオリジナルは自身の母ではなく『王女』、つまりシャルスのオリジナルである『王』の娘。
アリエスのオリジナルであるセイラ王女は何者かによって事故に見せかけ暗殺されていました。アリエスの帰還が『王女』復活となること、それは王が喜ぶことであり、セイラを慕っていたシャルス自身も喜ばしいこと。
王への忠誠もありつつ、自身に芽生えた心がアリエスをセイラに重ねているこのシーン。クローン体としての矛盾が垣間見えてきました。
オッドアイや映像記憶能力の描写は表面的でしたが、アリエスの名前の秘密が『セイラ(SEIRA)』の逆読み(ARIES)ってスマートなことをしれっとやってやがる・・。かっこいい・・。
序盤からセイラ王女の名前を出していればかなりのロングパスの伏線になっただろうね( *´艸`)
カナタの『右腕』
『刺客』としてではなく、『仲間』として。シャルスの抱える王への忠誠という囚われたアイデンティティを変えようとカナタをはじめB5班の面々は必死で想いを伝える。
この旅の経験で変わっていったキトリーやウルガー。見た目も変わり一番の成長を見せたユンファ。皆生まれも育ちも代替品として親に定められたクローン体だったが、旅の経験によって生まれ変わりこれからの生き方を自分で選び取ろうとしている。
そんな仲間たちの呼びかけと己の役割の狭間で揺れ動くシャルス。旅で育った『個』という自身の心と芽生えた友情が任務の邪魔をする。
シャルスは仲間を手にかけることはできなくなってしまった。すなわちそれは王の命令を全うできず役割を失ったことを意味し、その結果ワームホールで自害を図る。それを止めたのはここまで仲間の危機を幾度となく救ってきたカナタ。
自分の身を挺してシャルスの自害を止めたカナタでしたが、ワームホールによって右腕を切断され重傷を負う・・。
総括
まず、シャルスの顔芸がすごいね(笑)。あんなに穏やかな笑顔を見せていた彼は今回終始険しい表情でした。裏切りたくないけど使命を全うするには仲間を殺めるしかないという葛藤、金髪で島﨑信長・・まんまユージオ(SAO)やん!
そして、今回素晴らしい演技を披露していたのはカナタ役の細谷佳正さん。仲間を想い行動するいつものカナタに加え、その後のシャルスとのやり取り、『カナタ』という人物の魅力を十二分に発揮されてました。右腕を失った時にあげた悲鳴での緊迫感もすごかった・・。
そして『右腕』
シャルスの自害を止めた代償にカナタは右腕を失ってしまったわけですが、謝罪するシャルスとカナタとのやり取りが秀逸。かつてカナタが語っていた夢に対し「右腕になる」と言っていたシャルスの回想を重ね、切断されたカナタの右腕にそっと自身の手を添えるシャルスの描写、カナタの「お前は俺の右腕だ」、素晴らしすぎて鳥肌が立ちました。
伏線の回収、演出、演技がお見事で、面白さが振り切っていて意識が彼方へいってしまうぐらいの怒涛の後半パート。ここで来たか!反重力シューズ(笑)
次回の最終回は1時間スペシャル!
B5班、旅路の結果はどうなるのか・・
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