サブカル国道二号線

ー Subculture National Highway Route 2 ー

新型コロナの影響で医療現場がどう変わったか?現場からのリアルなつぶやき・・。

Sponsored Link

ついに緊急事態宣言が発令されました。

私が働いている病院では今どのような状況になっているのか?現場のリアルについてつぶやきます・・。あと対策などについてのぼやき・・。

 

   

新型コロナ対策について言及しますが、筆者は特定の政党を応援しているわけでもなく、また政府の対策に批判的なわけでもありません。

 

批判は対案を用意できる人だけがすべきというのが私のスタンス。私の頭じゃ対案思い浮かばないんで批判できません!(笑)

 

医療崩壊!?病院の現状

あくまで自分の職場での話になりますが、まだ余裕があります。

 

スタッフは少しでも体調に異変があればすぐ休める体制を取っていますし、幸いにもスタッフへの院内感染は起きていません。

 

何をもって崩壊とするかですが・・

 

・スタッフへの感染蔓延

・病院のキャパオーバー

 

ですかね。

 

スタッフへの感染蔓延

医療現場が人手不足に陥れば治療ができなくなります。そして今危惧されているのが物品不足です。

 

当院ではまだ物品に余裕がありますが、先の見通しが立たないので防護服を要する処置の数を減らしています。感染防護物品が無くなればコロナ患者への処置=濃厚接触となるので。

 

あと、医療従事者が取れる対策としてお昼ご飯は「喋らず、手早く、人と食べない」ようにと言われました。

 

ランチを味わう暇もありません・・(笑)

 

救急領域に常駐しているわけではない私の職種でこんな感じです。最前線で戦う医師や看護師には頭が上がりません。

 

当院の救急医は家に帰らず寝ずに手探りでコロナの治療に当たってます・・

 

限られた病床数

感染症指定病院だけでは到底対処しきれない患者数になってきました。

 

当院でもコロナ専用ベッドを増設し対処していますが、ここ数日はコロナ疑いの患者数が増えておりほぼ満床に・・

 

専用ベッドなんて、ただ仕切りをすればいいだけでは?

 

と考える人もいるでしょうが、感染症を伝播させないためには時間的に空間的に隔離するだけでは不十分です。

 

必要なのは圧力での管理。

 

手術室では術野を清潔に保つために室内を『陽圧』で管理しています。これは大気を手術室に引き込まないようにするためです。

 

それに対して、今回のコロナ陽性患者などの感染症の隔離では、『陰圧』管理が必要。これは感染源を室内から外部へ漏らさないためです。

 

このように設備が整っていないと隔離手段が取れない・・。簡単に感染症専用部屋を増やせないのは実はこういう背景があるからなんです。

 

医療者の保障

病院という潰れることが限りなく少ない職場に勤めているので、正直私自身はコロナショックはありません。

 

しかし当然、在宅ワークができる職種ではないので通常出勤。コロナの感染リスクが高かろうと危険手当は増えるわけはなく・・(^◇^;)

 

ちなみに当院の危険手当は1日200円(笑)

 

 

休園する保育園もありますが、医療従事者の子供だけは特例で受け入れる施設もあるようです。子供は面倒みてやるから変わらず働けっと言われてるみたい(;・∀・)

 

保育園なんて余裕で3蜜満たしているし、この特例果たして推奨されるべき事なのか・・

 

   

 

日本の対策はあり?なし?

ありなしかは立場によっても変わってくると思いますが、私は少なくとも今どの国に居たいか?と言われれば日本と迷わず答えますね。

 

日本の対策について、経済や政治には疎いので大したこと言えません。あくまで医療従事者としての立場からの言及になりますが・・

 

例えばアメリカで13万円無条件に貰ってもコロナ治療のためにECMOを導入すれば命助かっても医療費ヤバいよってのが私の考え。

 

日本はお金配ってくれなくても、コロナ治療にそこまでお金がかかりません。それは日本が『国民皆保険制度』を敷いているからです。

 

感染者にこそ手厚いのが日本。

 

しかし今の日本の対策は、感染していない個人事業主には現状かなり風当たりきついのも事実。外出は自粛してと言いつつ、お店の休業については線引きが曖昧な部分があり補償についてもほとんど言及していません。

 

リスクを背負いつつ生きるためにお店を開けて踏ん張っている店主さんたちの心中を察するにあまりある・・

 

安易なECMOは危険

メディアに取り上げられたことで浸透してきたECMO(人工心肺)

 

素晴らしい治療、究極の切り札などと持ち上げられると、『導入=必ず助かる』という先入観が生まれてしまいます。

 

現在明かされている情報では新型コロナ肺炎に対してECMOを導入し離脱出来た症例は約半数。『離脱』でありその後の回復状態は明かされていません。

 

現在新型コロナ肺炎に対するECMO導入件数は75件、25人が回復、11人が死亡、39人がECMO治療継続中。(4/14 追記)

 

現場ではECMOの導入についても慎重になっているのが現状です。そもそも機械に限りがある事、合併症のリスクなどを考慮し積極的に入れるべきか・・

 

普段の導入と違い、新型コロナ肺炎の場合は感染の観点から手術室で導入するのではなく陰圧管理された病室で入れています。それはつまりいつもよりも設備が整っていない場での導入となりリスクも高くなる・・

 

そしてもう一つ懸念されるのがECMOの導入と管理を病院がどれだけ慣れているかどうか。

 

普段ECMOを積極的に導入している循環器特化病院や救急病院ではなく、感染症専門の病院がECMOを入れざるを得ない状況になっています。

 

現在の現場ではこういった背景があることを踏まえておいてほしいと思い情報提供しました。

 

ECMOについては以下の記事にまとめてます。

www.marureze.com

 

まとめ

医療従事者がこんな表現をしていいものかはわかりませんが、感染し重症化してしまうのは『運』です。

 

しかし、感染の確率はコントロールできます。手洗いうがいの敢行、マスクの着用、消毒の徹底など個人でできることは多い。ワクチンがない現状では予防こそが最大の防御策です。

 

しかし他人にそれを強要はできません。どれだけ予防をしているかもわかりません。なので不用意に接触しないことが自分を、家族を守るためにできる最善策です。そして無症状のこのウィルスを人にうつさないためにも不要な外出は避けないといけないのです・・が、

 

人は繋がりあって生活しています。

 

在宅ワークで家から出る必要もなく備蓄がたっぷりしてある人以外はこの1ヶ月必ず外に出ないと生きていけません。

 

どうやって生きていくのが正解かわかりませんが、人にうつさない・人からうつらない・持ち込まないようにするためには個々ができる感染しないための確率を少しでも上げる予防策をしっかり取るしかありませんね・・。